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MAI SAKURAI
photography

さくらい まい
櫻 井 麻 衣
写真家
Artist Statement
私は世界に存在するさまざまな「あいだの気配」を、自らの行為を通じて写し取り、残すために制作を続けています。 かつて、私は12mの橋にA4のコピー紙を当て、上から鉛筆で模様をこすり出すフロッタージュ技法を用いて 集落にかかる橋を432枚の紙の束へと置き換えました。 またあるときは、集落にある御神木の落ち葉を腕いっぱいに抱きしめて持ち帰り、一枚一枚を紙に写しとって、紙の束に置き換えました。 それらの行為は決して触れることのできない「対岸」という境界線や、 抱きしめた行為の「過ぎ去る時間」を、自分の手の中に引き留めるための、とても個人的であり、小さな儀式のようなものです。 近年、私の表現はフロッタージュから写真へと移り変わりましたが、見つめているところは変わりません。 神仏と人の間に立つ神職や尼僧 島と本土の間を船で行き来する船乗りなど、 世界の「あいだ」を往復し、役割としての自分と、暮らしの自分との間で生きる人々の息遣いを残したいのです。 そこに、太古から続いている人間の息づく気配を、感じるような気がするのです。 鉛筆でこする行為も、カメラで光を写し取る行為も、私にとっては本質的に同じことで 目には見えず、放っておけば消え去ってしまう「あいだの気配」を、紙やフィルムの上にそっと着地させることなのです。 息遣いを捉えるために、景色や自然のなかに溶ける気配を拾いたい。 草花の視線が、光が その土地を生きてきた「名もなきすべての記憶(気配)」たちが、 その瞬間を見つめていると感じているからです。 私の作品が、鑑賞者自身が日々行き来している大切な境界線へ 静かに目を向けるための装置でありたいと願っています。
◯ 略歴
1990年 神奈川県・綾瀬市生まれ
2008年 女子美術大学附属高等学校 卒業
2012年 女子美術大学芸術学部デザイン学科 卒業
2015年 東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻 修了
2016-2023年 千葉・福岡の神社にて神主補佐として勤務
2024年 山口県・瀬戸内海最西端の大津島へ移住。写真家の活動をはじめる。
◯ 受賞
2018年 Dior Photography Award for Young Talent「her」アワード受賞
2016年 東京TDC賞トライアル部門「対岸」入賞
◯ 展示/発表
2026年 個展“常夜灯がついている”(山口・大津島厳島神社)11月開催予定
2026年 ZINE FES KYOTO (京都・京都市観業館みやこめっせ)
2019年 個展 “her”/OLD・NEW SELECT BOOKSHOP 一日 (東京・吉祥寺)
2018年 “Dior, The Art of Color” (アルル、PARC DES ATELIER大ホール/フランス)
2015年 東京藝術大学修了制作展 (東京藝術大学)
2014年 東京藝術大学先端芸術表現科修士成果展ATLAS (東京藝術大学)
2011年-2013年 TOKYO ART BOOK FAIR、NY ART BOOK FAIR出品
2011年 “J_ART”4th Annual Emerging Japanese Artists Exhibition
(ブルックリン、WAH center/アメリカ)
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